2001/5/3〜6日までのCanMore号・だぶるれいんぼう号クルージング日記:京谷 寛 記

上島クルージング、出発の打ち合わせ。【5/3〜4日】
大儀艇長の説明に全員が注目。
幻想的な夜光虫の世界をすぎた頃から目の前にぼんやりと明石海峡が見えてきた。
明石海峡にたどり着いた頃には空も白み、暗黒の世界から解放された。
明石海峡をくぐって後ろを振り返れば、“だぶるれいんぼう”に朝日が重なるように上ってきた。

明石海峡を越えると背中に太陽を受けて走ることに・・・。【5/4日】
潮の流れと同じ早さを保っているので、だぶるれいんぼうの回りは完全なベタ凪状態だがGPSの速度計
では、結構な速度が出ていたようだ。
“CanMore”は、エンジンが非力なのと燃費を稼ぐために少しでも風を受けるとセールをあげて、“だぶるれ
いんぼう”に遅れまいとがんばってはみた。

広大な播磨灘を西に進路を取り続けると、霞の中に上島の姿がぼんやりと。【5/4日】
上島の姿を見ると急に元気が出てくる!のって子供みたい・・・と言われそうだが、実際、気持ちの高ぶり
はあった。
“だぶるれいんぼう”はRIYCのクラブ旗を、“CanMore”は手作りの鯉のぼり旗をなびかせ上島へと向かった。
ここまで近づくと、上島がほんとうに無人島というのが実感できる。
気分は、絶海の孤島にたどり着いた!って感じだった。

北緯34.41分東経134.43分に位置する上島。【5/4日】
むかし、横を通り過ぎただけの島に上陸しようと言うことで、以前とは全く違った島に感じられた。

暗礁とホンダワラを避け、上陸ポイントを探す“だぶるれいんぼう”艇。
結局、海上保安庁の船が灯台をメンテナンスするために設置された埠頭に接岸することにした。
この小さな浜が、唯一海岸に面した平地で、ここへなら何とかアンカリングで上陸できそうだ。海の美し
さは、普段の大阪湾や播磨灘を見ているだけに感動的だった。

“CanMore”の機走性能の弱さと、超省エネ走行のおかげで10時間近くの航海になった。【5/4日】
大きな船用のポンツーンに小さなヨットを舫うのが難しく大きな波が来ると船が傷みそうだった。と言うもの
の、何はさておき上陸して腹ごしらえをしようと桟橋の上は、あっという間にイタリアンレストラン!?と化し
たのであります。(はしと食器が雰囲気を壊しているって?)
美味しい料理のはずなのに、みなさんの表情は少々お疲れ気味ですね・・・。

食後、横になったりクラゲやナマコと遊んだりした。【5/4日】
今回は、ここでの停泊をあきらめ、男鹿島まで足をのばすということになり、それならばと灯台見物でも
していこうと島の最高部へと上ってみることにした。途中、緑の間から“だぶるれいんぼう”と“CanMore”
が見えた。「カッコええやん! こんな雰囲気、ちょっと無いで!」と南国の島巡りをしている気分になる。
しかし、灯台近くになると「ここは大本教の聖地」との立て札と共に松の木が植林されていた。この島っ
て、大本教の私有地????」

無人島の頂上には立派な灯台がありました。【5/4日】
灯台の回りには、タヌキのクソ場がいっぱいあり、タヌキが住んでいるのは確かなようだ。この小さな島
で食料がまかなえているのが不思議でならなかった。
また、ここの電気エネルギーは、太陽発電パネルがいっぱい設置されており太陽光でまかなわれていりようだ。
まあ、我々のレジャーも風と戯れるという省エネレジャーということで、地球に優しい遊びと思っておこう!
地元姫路の人達は、こんな近くにこんなステキなポイントがあるなんてとてもうらやましく思った。

さあ、男鹿島に向かって走るぞ!と、言ってる間に次の無人島“鞍掛島”が迫ってきた。
大儀さんの情報によると、この島には停泊に適したとてもいい入り江があるそうな。極力、島に近寄り情
報を得てゆこう!

男鹿島に近づくと、とんでもない姿の男鹿島が目に入ってきた。【5/4〜5日】
山がと言うより島全体が山頂から、まっ二つに切り取られているではないか!
昔は、小豆島やこの辺りの島からお城用の石を切り出し大阪に船で運ばれてきたとは聞いていたのだ
が・・・・。
前回来た時には、こんなにも山が削れていなかったぞ!と思う。
近代兵器(工具)と大量消費(空港島工事)にかかると、こんなにも簡単に島の形が変えられてしまうの
か!と驚くしかなかった。関空を利用している者として、とても胸が痛む景色だった。
男鹿島には、ここ定期船が入港するこの港と、もう一つペンションがあるところに桟橋があり、無料で係
留させてもらえる。
大儀艇長は、民宿「中村屋」さんのお風呂に。450円だったそうだ。

男鹿島で一泊した翌日は、いよいよIRYCのミーティングポイントになっている淡路島の浦港へ一直線の
航海だ。次にこちらに来るときは、鞍掛島へキャンプに来るぞ!と思った。【5/5日】
明石海峡が近づくにつれ、東行き最大潮流に乗り10ノットオーバーの速度が出ている。明石海峡もあっ
という間にくぐってしまう。
浦港は、連休のためか停泊している船が満杯でIRYCのみんながいっしょに舫うことができなかった。
みんながいっしょに舫っている写真が撮れたら良かったのにね。
CanMoreの食料も底をつき、街へ食料の買い出しに行ったり、“だぶるれいんぼう”艇のデッキでコーヒーを
楽しんだ。大儀艇長は、隣に係留されていた泉大津YCのウエルカム号で上島や鞍掛島、男鹿島の情報
交換を楽しそうにしていた。
ヨットライフの楽しさは、走るばかりじゃなく、このように港、港で知り合った人達との出会いが大切なんで
すよね。

さあ、いよいよ浦港出発の時が来た。【5/6日】
どんなに楽しい旅にも終わりがある。楽しいことが多ければ多いほど終わりは寂しいですね。
朝食は、目玉焼きに焼きベーコン。これをパンに挟んでサンドウィッチのできあがり。旅の終わりがさみし
くっても、楽しい思い出がいっぱいあると、帰ってからの楽しみがいつまでもいっぱいあるんです。このデ
ッキの上で作った朝食も美味しい思い出の一つとしていつまでも残ると思う!
浦港に別れを告げ8:15大阪出島に向け出発、出発!!

RIYCのみなさん、ありがとうございました。【5/6日】
今までは、洋上ですれ違うだけだったみなさんと、いっしょに食事をしたり、ヨットでの工夫話のあれこれ
を聞かせていただき楽しい一時を過ごさせていただきました。
これからは、今まで以上に楽しい大阪湾のヨットライフが楽しめそうです。

進路を110度に一斉スタート。【5/6日】
これだけの数のヨットが揃うと、なかなか壮観ですね。
“CanMore”には、まだまだ航海術勉強中の者がおります。出島に向かう途中も海図とコンパスを広げて、
あれが関空タワー、あれがWTCタワーと勉強しながら走っていたのであります。
出島YHに3日ぶりに帰ってきました。キャビンの片づけ、掃除と、我々を無事楽しませてくれた“CanMore”号
に愛情いっぱい捧げたのであります。(どうです、このカメラアングル!)
ほんとうに楽しい上島(家島)クルージングでした。
みなさんありがとうございました。

【だぶるれいんぼう】【CanMore】
大儀明・京谷 寛・金井理人・京谷洋平・京谷翔平 でした。